
雛形若菜初模様Tシャツ 版元蔦屋重三郎のも
, by Midgard Japan, 1 min reading time
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「雛形若菜初模様」は、江戸時代中後期、特に天明年間(1781-1789年)に流行した錦絵のシリーズで、吉原の花魁たちの最新の着物や髪型を紹介するファッション雑誌のような役割を担いました。このシリーズは礒田湖龍斎の代表作として知られ、100点以上の作品が確認されています。
同じ「雛形若菜初模様」のタイトルで、鳥居清長も作品を描いています。鳥居清長は、すらりとした八頭身の健康的な美人画で一世を風靡した浮世絵師で、天明期の美人画を代表する存在です。彼の描く花魁たちは、背景の風景と調和し、より開放的で生き生きとした美しさを表現しています。清長もこのシリーズに加わることで、当時の流行を牽引する絵師たちの熱意がうかがえます。
礒田湖龍斎の作品には蔦屋重三郎が版元として関わったものがあり、その「耕書堂(こうしょどう)」の判が押されているものも確認されています。
ただし、このシリーズは途中から西村屋与八(永寿堂)の単独出版へと移行しており、一部では蔦屋重三郎と西村屋の関係悪化が理由とも言われますが、実際には棲み分けが行われ、互いに協力し競争し合うことで、このシリーズが江戸を代表する名作となったと考えられています。